SOFIXとは

土の良さを計る“物差し”です

SOFIX(ソフィックス)とは、土壌肥沃度指標と呼ばれ、Soil Fertile Indexを略した名称です。

有機栽培をはじめとする物質循環型農業に望ましい土壌成分の量とバランスを数値化する診断指標であり、①植物生長に関する成分と ②物質循環に関する成分を測定します。立命館大学 生命科学部 久保幹教授らにより、農耕地土壌の診断技術として開発されました。

※SOFIXは肥料や有機資材、測定器具の名称ではなく、技術の名前です。


SOFIXのメリットとは

農業の基本である「土づくり」において、経験だけに頼ることなく、科学的な指標を持つことが可能となります。

土の分析風景

農業生産では「土作り」がもっとも重要とされています。良い土壌とは、土壌の化学的性質(肥料成分、緩衝作用等)、物理的性質(保水力、通気性等)、生物的性質(有機物の分解、耐病害虫等)の三つ要素が整った土壌のことです。特に、有機栽培により高品質の農作物を生産するためには、生物的性質が重要となり、土壌微生物による物質循環(※)がスムーズに進む必要があります。しかし、従来の土壌診断技術や施肥では、化学的性質の分析が中心であり、土壌の生物的性質を見ることは困難でした。つまり、土の中での微生物の働きが解りませんでした。そのため、化学肥料を使わない有機農業では、「土作り」は経験に頼らざるを得なかったのです。その結果、収量が少なくなる、安定的な生産が出来ない等の問題がありました。 ご紹介するSOFIX技術は、土壌中の微生物量や、微生物による窒素循環やリン循環を数値的に表すことで、従来の技術では困難であった生物的分析を行えるようになり、有機肥料を用いた「土作り」の科学的な処方箋を出すことを可能にしました。

※物質循環…有機質肥料が分解され、農作物の主要肥料成分(窒素、リン酸、カリウム)が、適切な量とバランスで供給されること。


SOFIXで何が見えるのか

SOFIXでは、従来の科学的分析に加えて、土壌内の「①総微生物量」「②窒素循環」「③リン循環」「④土壌バイオマス量」を見える化します。

1.総微生物量を見える化

SOFIXでは、土壌1g中に何億個の微生物がいるかを示します。 土壌中から微生物のDNAを抽出し、そのDNA量を指標として微生物量を測定します。これを環境遺伝子(eDNA)解析法といいます。eDNA法では、培養できない微生物(VBNC)も正確に測定できます。

2.窒素循環を見える化

肥料を硝酸態窒素に変える力を測る

農作物にとって必要不可欠な「無機質窒素」を、農作物が吸収できるようになるには、肥料が硝酸態窒素(NO3-)に分解される必要があります。つまり、その分解が効率良く行われていれば、良い土であると言えます。土に混ぜられた肥料(窒素有機物)は、微生物によって①アンモニア態窒素(NH4+)→②亜硝酸態窒素(NO2-)→③硝酸態窒素(NO3-)と分解されます。①→②の過程を「アンモニア酸化活性」、②→③の過程を「亜硝酸酸化活性」と言います。これらアンモニア酸化活性と亜硝酸酸化活性と、さらに微生物量を測定します。その値から、土壌が持つ「窒素有機物を硝酸態窒素に変換する力」、すなわち土の品質を診断できるわけです。

レーダーチャートで定量化

具体的には、三角形のレーダーチャートにして定量化します。三角形の頂点がeDNA法で測定した総微生物数です。そして三角形の右下が、アンモニア酸化活性、左端が亜硝酸酸化活性です。 これにより、三角形の面積が大きい土壌が、窒素循環が活発、つまり良い土であることを示します。三角形の面積が小さいと、微生物数も少ないし、肥料の分解が進んでいないことも明らかになります。

3.リン循環を見える化

肥料をリン酸に変える力を測る

農作物にとって必要不可欠な「リン酸」を、農作物が吸収できるようになるには、肥料がリン酸に分解される必要があります。つまり、その肥料分解が効率良く行われていれば、良い土であると言えます。土に混ぜられた肥料は、微生物によって①フィチン酸(有機体リン酸)→②リン酸と分解されます。①→②の過程を「フィチン酸分解活性」と言います。その値を測定し、「有機態リン酸を変換する力」、すなわち土の品質を診断します。

4.土壌バイオマス量

SOFIXでは、土壌中の有機物量についての評価も行います。これは、その土壌が微生物にとって活性化していきやすい環境であるのかどうかを示しています。

主には、全炭素(TC)および全窒素(TN)の量および比率を指標にしています。 これまで蓄積してきたデータベースによれば、畑においては、TCが18,000mg/kg以上、TNが1,000mg/kg以上で、 かつCN比が10~25の範囲であれば、微生物のエサ(栄養分)となる有機物の量および比率がより良い状態となり、 窒素循環活性が高まり、植物の成長が促進されることが明らかになっています。


測定する19の項目とは

SOFIXによる土壌診断は、19個の項目で評価されます。

番号 測定項目 分類
1 硝酸態窒素 化学性
2 アンモニア態窒素
3 水溶性カリウム
4 水溶性リン酸
5 EC値
6 pH
7 全炭素量(TC) 土壌バイオマス評価
8 全窒素量(TN)
9 全リン量(TP)
10 全カリウム量(TK)
11 C/N比
12 C/P比
13 バクテリア数 環境バクテリア量
14 アンモニア酸化活性 窒素循環評価
15 亜硝酸酸化活性
16 窒素循環活性
17 フィチン酸分解活性 リン循環評価
18 含水率 物理性
19 最大保水容量

これほど多くの項目を、安価に分析できるようになったのは、SOFIX分析の大きな特長の1つです。 これらの測定値を、分析してまとめたものが、次にご紹介するSOFIX診断書です。


SOFIX診断書とは

土壌の分析結果に基づく診断書です。いろいろな微生物が気持ちよく生息できる健康な土と比較して、何が足りていないかを一目で見ることができます。

1.SOFIX(土壌肥沃度指標)

測定した19の項目の評価と、蓄積されたデータベースから、現状の肥沃度の相対位置を知ることができます。

2.SOFIX土壌パターン判定

土壌の品質が、いくつかに分類されたパターンのどれに当てはまるのか、また、特A、A、B、Cの4段階ランクのうち、どのランクに入っているかを簡単に知ることができます。

この土壌診断書ができ、次にやることは、どのような肥料をどのくらい与えるのか、という施肥設計です。そのため使用するのが、次にご紹介するMQI(堆肥品質指標)分析と、OQI(有機資材品質指標)分析という技術です。


与える肥料も健康診断

MQIとOQIを使って堆肥と有機資材の品質を見える化できます。

堆肥

土壌の健康状態が判ったら、今度は土壌に与える堆肥や有機資材の施肥設計です。 そのためには、現在お使いの堆肥などの健康状態も知る必要があります。 それを数値で見える化してくれる技術が、①MQI分析と②OQI分析です。

1.MQI分析(堆肥の品質分析)

堆肥品質指標と呼ばれ、Manure Quality Indexの略称です。堆肥の品質を正確に評価できます。 測定項目は、①通常の化学分析(肥料成分分析、硝酸態窒素、水溶性リン酸、水溶性カリウム、アンモニア態窒素)の4項目に、②有機物量の分析(TC、TN、C/N比、TP、TK)の5項目と、③堆肥中の微生物バイオマス量、を加えた10項目です。

堆肥品質指標(MQI) 診断書

2.OQI分析(有機資材の品質分析)

有機資材品質指標と呼ばれ、Organic material Quality Indexの略称です。有機資材の品質を正確に評価できます。 測定項目は、①4項目の化学分析(肥料成分分析)と、②5項目の有機物分析です。

有機資材品質指標(OQI) 診断書

SOFIX分析により、土壌の状態を把握し、MQIとOQI分析で、品質を数値化した堆肥および有機資材を施肥することにより、施肥後の土壌成分値を正確に調整することができます。ですので、堆肥および有機資材の過不足の無い投与が可能となります。


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